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松永 武; Monte, L.; 都築 克紀; 柳瀬 信之; 半澤 有希子; 上野 隆
JAERI-Review 2003-039, 150 Pages, 2004/01
原子力施設の事故時に放出され得る放射性核種については、大気からの地表への沈着と、これにつづく表面水系の移行経路に対して1986年のチェルノブイリ事故以来大きな関心が払われてきた。欧州の国々ではそれらの経路を含んだ放射性核種の移行予測と汚染対策にかかわる意志決定支援のための計算コードシステムが開発されている。そこで、河川流域における放射性核種の移行挙動についての数学モデルの構築に関して、日本原子力研究所は、この種の数学モデルの専門家であるイタリアのLuigi Monte氏(新技術・エネルギー・環境研究所,ENEA: Ente per le Nuove tecnologie,L'Energia e l'Ambiente)を2003年5月22日同6月20日の期間に招へいした。本報告書は、同氏の滞在の期間に日本原子力研究所並びに当該分野にかかわる日本国内の大学・研究機関において行われた報告と議論を要約したものである。河川流域における放射性核種の移行挙動を表す数学モデルの利点そして留意点が議論された。
長尾 誠也; 松永 武; 鈴木 康弘*; 平木 敬三*
地球化学, 35(3), p.107 - 120, 2001/08
天然水における放射性核種の移行挙動に影響を及ぼす要因の1つとして高分子の有機物が考えられる。この影響を定量的に把握するには、有機物そのものの特徴を検討する必要がある。本研究では、溶存有機物の濃縮等の複雑な前処理を行わずに、河川水を直接、高速液体ゲル浸透クロマトグラフィー紫外検出で測定し、これまでの方法に比べて簡便迅速に有機物の分子サイズ特性を調べた。溶存有機炭素濃度0.7~2.6mg/1の久慈川河川水中の紫外吸収有機物は、濃縮・精製した河川水フルボ酸のクロマトグラムとほぼ同じ特徴を有し、大部分がみかけの分子サイズ10,000daltons以下のフルボ酸様物質により構成されていることが明らかとなった。また、フルボ酸様物質の濃度は、溶存有機炭素濃度と同様に上流から下流に向けて増加し、溶存有機物の大部分を占めていると考えられる。
松永 武
JAERI-Review 2001-018, 121 Pages, 2001/06
日本原子力研究所では、大気中に放出され、地表に降下・蓄積した人工放射性核種の長期的移行挙動の理解に寄与することを目的として研究を行ってきた。本報告は、それらの研究の中で、大気から地表に降下した数種の放射性核種の河川流域における挙動についての研究を取りまとめたものである。収載した一連の研究では、1) 河川流域における核種の移行、2) 河川における核種の存在形態の2つの面から研究が行われた。研究の結果、河川水中の懸濁物質が放射性核種の移行媒体として重要であること、河川流域からの核種の年間流出量を河川流量との回帰式で近似できることが示された。チェルノブイル原子力発電所近傍の地域における研究により、溶存有機物がPu 、Amの移行に大きな役割を有していることが明らかにされた。さらに、この錯体形成の解釈ならびに放射性核種の保持体として重要な河底堆積物中の鉄・マンガン相の挙動について化学平衡論に基づくモデル適用された。これらの研究で得られた成果は地表面環境の広域的な汚染が起きた場合の長期的な環境影響の定量化に役立つものと考えられる。